「墓相」だけを重視してお墓を建てるのが正解か?

「墓相」だけを重視してお墓を建てるのが正解か?
人や住宅に人相・手相・家相などがあるように、お墓にも「墓相」というものが存在するといわれています。
これはお墓を建てる時に、家族や身内の不幸を避けるために、方角・形・墓石の色などを考える際の基になる考え方で、江戸時代の後期に出版された本が基になって受け継がれてきているといわれています。
しかし、仏教を抜きにして語られているために、宗教的な考え方に添っていない部分もあります。
それにも拘わらず「先祖や亡くなった家族が安らかな眠りにつけるように」「良い運気を取り入れられるように」などと願って、「墓相」の考え方を取り入れる人も多いのです。
関連する書物がいろいろあって解釈が異なる部分もあるので、一概に言えることではないのですが、一般的に避けるべきことの内容がいくつかあります。
赤石系の墓石は家庭不和・火災・身体虚弱、青石系の墓石は災害全般・病、黒御影石の墓石は災難・災害・犯罪者、自然石の墓石は子孫が断絶、猫足型の墓石は浪費・家庭不振、特徴ある形の墓石は子孫断絶・幼児期に死亡などです。
また方角に関しては、東南向きが吉とされているようですが、北西向きは変死・火難・病難・長男家出・死亡、西南向きはケガ・自殺・変死・後家・精神病・女人天下、北東向きは変死・自殺・ケガ・相続人家出・急死・夫婦別居などです。
あと、木の下にお墓を建てると病人が絶えず出る・実のなる木は病弱者が出る・高圧線や電線の下は変事が起こるなどもあります。
さらに、小石を敷き詰めると異性問題が出る、石碑に欠けがあるとケガ人や病弱者を呼ぶ、他人の墓地を踏まないとお参りできないお墓は商売の発展がない、改宗すると家庭内騒動が起こるなどもあります。
このように聞けば気になる内容も多いので、興味を感じる人が多いのも納得できます。
しかし、あまりにも内容が多すぎるので、これを全て意識してしまうとお墓を建てられなくなってしまうかも知れません。
また最近では、墓石の色も様々になっていますし、デザイン墓石なども増えてきています。
つまり、人相や手相のように「当たるも八卦当たらぬも八卦」程度に考えておくのが無難かも知れません。
「墓相」の考え方を全面的に否定するわけではありませんが、プロの石材店のアドバイスを重視した方が、良いお墓を建てられるのではないでしょうか?
墓相学だけを重視してお墓を建てるのが正解なのか、石材店の方やお寺の意見を参考に建てるのが正解なのかは、それぞれの考え方があるので簡単に判断はできないことです。
ただ、いずれにしても家族や親族が納得できるお墓を建てることが大切なので、しっかりと検討して判断するのが良いでしょう。
あと最も注意したいのが、一時話題になったリフォーム詐欺のように、この考えを利用する悪徳業者も存在するということです。
人の弱みにつけこんで、いたずらに不安をあおり詐欺まがいの商売をする業者もいるので、絶対に騙されないように注意しましょう。

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