お母様がお好きだった本をモチーフにした、シンプルで素敵なお墓。中国産654平和、都立谷中霊園にて

ホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。武蔵石材店の井岡進と申します。今回は、谷中霊園に建立させていただいた、本をモチーフにした中国産654平和のお墓をご紹介いたします!

 

【台東区谷中霊園 約1.6㎡ 中国産654平和】

 

谷中霊園の返還墓地の募集に当選された方から、お墓の建立をご依頼いただきました。ホームページをご覧になってご連絡くださったようです。

お話を伺うと、亡くなったお母様は本がとてもお好きだったそうで、当初から本をモチーフにしたお墓をご希望でした。できるだけシンプルな作りがいいともおっしゃっており、設計をしてご提案し、2,3回お打ち合わせをさせていただいたあと、工事をお任せいただきました。

 

工事が始まっています。まずは基礎工事のために掘り下げています。谷中霊園の地盤はだいたいしっかりしています。今回は3,40cmほど掘り下げました。

 

割りグリ石を入れ、ランマ―という機械で転圧をして、地盤を固めています。

 

木枠を組んだ中に鉄筋を組み、コンクリートを流し込む準備をしています。

 

コンクリートを流し込みました。中央の土の部分は土残しで、納骨室の下にあたります。このまましばらく養生してコンクリートがしっかり固まったら、基礎が完成です。

 

基礎が完成し、外柵の設置が始まりました。今回は仕上がった時のお墓の高さを低くしたいというご希望があったので、納骨スペースを低い位置に設置しています。また、お墓のデザイン上、広めの納骨室を作成することができました。

 

外柵の上に台座となる石を設置、その上にメインとなる本、花立てを設置して完成です。

今回選ばれた石は、中国産の654平和という石です。ピンク色や白色の石なども候補に挙がりましたが、落ち着いた中にも上品で明るいこの石を気に入っていただけました。

 

本の表紙と台座の縁には、ご希望でツタの模様を入れました。本の形状だけでなくこの模様があることで、より雰囲気が増していますね^^ 建立当初は色を入れていなかったのですが、見えにくいということで、後日黒色を入れました。

右手前にあるのは、コーヒーカップに見立てた花立です。シンプルな作りですが、とてもおしゃれに仕上がりました。

 

正面には、アルファベットでお名前と、生年月日・お亡くなりになった日を彫刻しています。デザインとしても統一感があります。

 

横から見ると、このようになっています。モチーフにされた本も、どんなものがいいか色々探されたそうです。少し昔の洋書、というイメージでしょうか。見えている背表紙の部分、ちょっと突起になっているところの具合などは、お客様のご依頼で何度か修正を重ねました。細かいところも丁寧に、こだわりを持って考えておられました。

 

個性的なデザインですが、全体にシンプルな作りなので、とても自然でおしゃれな仕上がりになりました。完成したお墓には、「思った通りのものができた」と大変喜んでいただくことができました。ご親戚の中には、珍しいデザインのお墓に少し驚かれる方もいらっしゃいましたが、皆様「いいお墓ができたね」とおっしゃってくださいました。お参りに来られるたびに、本がお好きだったお母様のことを偲ぶことができるすてきなお墓になりましたこと、私どももうれしく思っております。

かつてはだいたい皆同じようなイメージだったお墓も、昨今では色々なデザインのものを見かけるようになりました。今回のように、お好きだったものをモチーフにしたりするだけでなく、その方をイメージしたデザインや、お好きだったお花を彫刻したりすることもその一つかと思います。ですが、「こんなお墓を建てたい」という想いを持っていても、それを実際形にすることはなかなか難しいと思います。お客様のお話をじっくり伺って、理想のお墓をご一緒に考え、想いを形にすることで、今後も少しでもお客様のお役に立てれば幸いです。