桜の彫刻がきれいな、落ち着いた濃グレーのインド山崎のお墓。都立谷中霊園

ホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。武蔵石材店の井岡進と申します。以前都立谷中霊園のコンパクトな墓地に建立させていただいた、桜の彫刻がきれいな濃いグレーのインド山崎のお墓をご紹介いたします。

 

谷中霊園 1.65㎡ インド山崎

 

こちらのお客様は谷中霊園の抽選に当選されて、お店までお越し下さいました。ホームページをご覧くださったようです。事前にご自分でも色々調べていらっしゃって、石はグレー系の濃い色合いで、形は洋型で・・・と色々ご希望をおっしゃってくださいました。また、ほかのお墓を参考に、納骨室の前壁を墓誌にしたいというご希望もありました。ご希望をうかがって図面を作成して見ていただくとそれを気に入っていただけて、あとは丸みをつけたり、ほかのグレー系の石と比較したりといった多少の調整をして、建立をお任せいただけることになりました。

 

完成したお墓です。最終的に使用した石は、インド山崎という濃いグレー系の石です。グレー系の中でもかなり濃いめなので落ち着いた印象で、目が細かく高級感が感じられ、ツヤのりも良いです。

 

正面彫刻は当初から「倶会一処」をご希望いただいていました。桜の一枝を、文字の左上に彫刻しています。いくつか桜の図案を見ていただいた中から数点に絞り、文字彫刻とのバランスなどを見ながら大きさや配置を決定していきました。彫刻はすべて色を入れていませんが、濃い色合いなので桜の花びらの細かい部分もくっきりと見えます。

 

花立と香炉は、ご希望で一体型になっています。一体型にすることで、花立と香炉の隙間にごみが入ることがないのでお掃除が楽になり、香炉の加工費が別途かからないため費用が抑えられるケースもあります。水鉢は、ご希望をうかがって彫っていません。全体的な形は、棹石と同じような大きな丸みを持たせています。

 

ご希望で納骨室の前壁に、仏様のお名前を彫刻しました。従来は墓誌を別途作ったり、お墓の棹石の背面に彫刻するのが一般的でしたが、近年ここを墓誌として使うお墓も増えてきました。

 

墓誌には二つのご家名を彫刻しています。継ぐ方がいないため絶えるという奥様のご実家の仏様を移転されたので、ご家名とともに家紋もこちらに残しました。

 

後方です。今回は間口に対して奥行きがある墓地でしたので、お墓本体を少し手前に設置して、その後ろにも納骨室の蓋石を少し付けることで、納骨室が広く設計されています。都立霊園では、もともとは広い区画を小さく区分して再分譲されているため同じような奥行きが長い形状の墓地が多く、コンパクトな敷地でも納骨室を広く確保できるこの方法はよくお選びいただいています。

 

お客様にはお墓の完成をとても喜んでいただけました。花の彫刻もきれいに仕上がっていて、気に入っていただけたようで安心しました。実は当時、納骨室の前壁の家紋入りの墓誌は、当店では初めての例でした。お墓作りでは、お客様からいただいた自由な発想を受けて、それを形にすべく新しい挑戦をしていくことで、新たな形が生まれてくることもあります。これまで通りの丁寧な施工に加えて、これからも色々なものを吸収しながら、今後もたくさんの方に喜んでいただけるように精進したいと思います。このたびは当店にお墓の建立をご相談いただきまして、ありがとうございました。