谷中霊園にて、樹木の管理が大変なお墓の建て替え工事
ホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。武蔵石材店の井岡進と申します。谷中霊園にて、樹木の管理が大変なお墓の建て替え工事をお任せいただきましたので、ご紹介いたします。
谷中霊園 建て替え 12尺四方(約13㎡) 中国産白御影石130
今回のお客様は、当初ご納骨のお手伝いと追加彫刻のご依頼をいただきました。その時から「お墓をきれいにしたい」とおっしゃっていて、しばらく経ってから「やっぱり建て替えたい」とご相談にお越しになりました。
こちらがその墓です。お墓のすぐ脇に、とても大きな木が生えています。お墓自体もかなり古くからお参りされている自然石で、当時は小さかった木も長い年月の間にこれだけ成長してしまったようです。高さは2,3mはありました。
通路から見ると、このように枝で覆われてしまっています。印の場所がお墓の入り口ですが、入り口の脇にも樹木があり、こちらもかなり大きくなっています。
建て替えに際しては、たくさん生えている樹木を取り除いて、お墓本体は新しくして外柵を設け、雑草が生えないようにしたいとご希望でした。また、こちらはもともと奥様方のお墓で、他県にあるご主人様方のお墓を将来的にはこちらに移して一緒にしたいので、その準備で墓誌を二つ設けたいともご希望でした。
工事が完了したお墓です。
樹木を根から取り除いて基礎を打ち、外柵や墓石を設置しました。枝葉で覆われていたお墓が、日当たりや風通しの良い、明るいお墓になりました!
お墓本体は、高級型の和型墓石です。もともと和型をご希望で、お店にお越しいただいた際に展示品をご覧いただき、気に入ったものをお選びいただきました。当店は新小岩の駅から歩いて5,6分で、展示場はそれほど広くはありませんが、10基ほどのお墓を展示しています。将来的にご両家のお墓になるため、正面は「先祖代々之墓」としました。
棹石の頭は「香箱加工」という高級型加工です。棹石の上に段差があり、周りはなめらかな曲線で仕上げられています。
今回使用した中国産の白御影石130はとても目の細やかな白御影石で、彫刻も映えます。ある程度吸水もありますが、石目の美しさや上品な印象から、お選びいただくことも多いです。
上台は「亀腹加工」です。亀のお腹のようななめらかな曲線が特徴で、表面に水が溜まりにくいというメリットもあります。香箱加工と亀腹加工は、和型のお墓の伝統的な高級加工としてとても有名です。もちろん、ご希望に応じて台座部分をまっすぐにすることもありますし、水が溜まりにくくしたいという場合は、外に向かって水垂を付けることもあります。水が溜まりにくいことで、ごみやほこりも一緒に流れ落ち、水垢や汚れが付きにくくなります。
右側に、今までこちらのお墓に入られていたご先祖様の墓誌を設置しました。右端にご家名を彫刻してその上に家紋を彫り、「家紋を残したい」というご希望を叶えました。花立にそれぞれの家紋を彫刻する方法もよくあるのでご提案しましたが、お墓の方はシンプルにそのままでよいとのことで、こちらに彫りました。
左手には、将来お引越ししてくる予定のご先祖様、将来入られるご家族のお名前を彫る墓誌を設置しました。
入口部分は階段を付けたいとご希望でしたので、踏み込みが深く段座を抑えたものを設計しました。階段、踏み石ともに中央部分はすべり止め加工。土間には明るい五色の砂利を敷きました。
外柵の羽目石は、2重にアールを付けたデザインです。面取り加工もしているので手当たりがよく、階段を上る時に手をかけられても安全です。
お客様には、「見違えるようにきれいになった!」ととても喜んでいただけました。気軽にお参りいただけるようになったことで、「これからはもっとお参りにきて、きれいにしよう」とおっしゃっていただけました。
谷中霊園は歴史のある霊園なので、昔ながらのお墓も多く、墓地に樹木が植えられているお墓も多いです。緑があるお墓はとても素敵ですが、あまりに大きく成長してしまって管理するのが大変だというご相談もいただきます。あまりに大きくなってしまうとご自分でどうにかするのはなかなか大変ですので、気になる場合はお早めにご相談ください。